読書の秋。
相変わらず、通勤電車や寝る前に本を読むのが日課になっています。
先日読み終えた本は、村上春樹さんと川上未映子さんの対談『みみずくは黄昏に飛び立つ』
夏に夢中で読んだ『騎士団長殺し』がとにかく面白くて、その後に発売されたこの本に『騎士団長殺し』の誕生エピソードが載っているとのことで読み始めました。
芥川賞作家の川上未映子さんが村上春樹さんにインタビューをしたものをまとめた本で、『騎士団長殺し』の裏話が中心ですが、他の長編小説や翻訳についても深く描かれていました。
この本から、村上さんは長編を書くときに必ず新しい挑戦をしていて、年齢とともにそれが変化していることや、比喩を参考にしたり影響された作家さんがいること知りました。
初期の作品の主人公は『僕』だったけど、最近の作品は名前での表現に変わっていたり…
翻訳から学んだ比喩の表現を使ったり…
頭の中にとにかくたくさんの引き出しがあって、それを埋めては出しての繰り返しをしているようでした。
牡蠣フライを何度も油にくぐらせて揚げるように、物語も何度もくぐらせているそう。
この本の中で、1番印象に残ったのは、
『時間をかけて、「この人の書くものなら、お金を払って買って読んでみよう」という信用を築いていかなくてはならないし、その信用を維持していかなくてはならない。そのために文章を丁寧に磨くことが大事になります。靴を磨いたり、シャツにアイロンをかけたり、刃物を研いだりするみたいに』
という言葉。
1つの作品を何度も何度も磨いて深く掘り下げて、自分にしかできないことを追求していくという、村上さんの仕事に対するスタンスを知ることができてますますファンに。
まだ読んでいない作品や私が10年前に読んだ本をもう一度じっくり読み返したいです。
私も『くぐらせて』ブログを書こうかな…
Laughful 0364474932