BANKSY GENIUS OR VANDAL

ART

先日、横浜のアソビルで開催中の「バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってきました。



バンクシーはイギリスを拠点に活動する匿名の芸術家。


イギリスやアメリカなど世界中のストリート、壁、橋などにステンシルを使用した独特なグラフィティで、社会問題に関する作品を描く活動をしています。

ダークな中にユーモアと可愛さを兼ね備えている雰囲気の作品です。


今回の展覧会は、2018年からモスクワ、サンクトペテルブルク、マドリード、リスボン、香港の世界5都市を巡回し、100万人以上の人々を熱狂させたというもの。


バンクシーは「アーティストなのかビジネスマンなのか、天才なのかそれとも単なる反逆者なのか」をテーマに70点以上の日本初上陸の作品が展示されていました。


私は、バンクシーのドキュメンタリー映画を観たり、去年実際にニューヨークの壁に描かれた作品しか観たことしかなく、「ストリートアートの人」というイメージしかありませんでした。



しかし、この展覧会では紙の作品やテーマパーク、宿泊施設、レコードのジャケットなどあらゆるジャンルでの活動を観ることができて、こんな活動をしてたんだーと驚きの連続でした。


反消費主義、反軍国主義のバンクシー。

EU離脱など、政治に関するものや2015年に5日間限定でオープンしていたディズニーランドに似て非なるテーマパーク「ディズマランド」のインスタレーションなどがありました。


中でも印象的だったのは、イエス・キリストの降誕の舞台となった中東のパレスチナ自治政府にあるベツレヘムに2017年3月に開業した「The walled off hotel /ザ・ウォールド・オフ・ホテル」。

このホテルの写真やベッドなどを使用して実際の部屋を再現したものが展示されていました。


The walled off hotelはイスラエル政府がパレスチナとの間に建設した分離壁の目の前にあり、「世界一眺めの悪いホテル」とバンクシー自身が皮肉っていました。

このホテルのことを、同地区に雇用を生み出して旅行客を呼び込むビジネスプロジェクトだという人、現地のアーティストに展示場所を提供し、支援するためのアートプロジェクトだという人、様々な意見があるそう。

さらに、イスラエルの人たちに壁の向こう側の生活がどのようなものかを経験してもらうという実体験型プロジェクトでもあるとのこと。


ベッドルームの壁面にイスラエル兵士とパレスチナ住民が武器ではなく、枕投げをしている絵が描かれています。

何十年にも渡る問題にアートで平和を呼びかけているかのようでした。


面白い発想と目で見て伝わるインパクトのある作品ばかり。

平和な日本で暮らしていると、接することや考えることが少なくなってしまう世界中の政治のことや人々の欲、暴力や人種差別など、作品を通じてそれらを目の当たりにして、バンクシーが伝えようとしているメッセージについて考えさせられました。


バンクシー展は10月4日(日)まで。