ニューヨークに滞在中、唯一予定を何も入れていなかった日。
朝目覚めて、「そうだ、イサム・ノグチの美術館に行ってみよう」と思いつきでnoguchi museumへ。
クイーンズのロング・アイランドシティというエリアにあるため、マンハッタンからは電車とバスを乗り継いで行きました。

ニューヨーク到着時に買ったメトロカードは、バスでも使うことができました。
noguchi museumに向かう道はほとんど人が歩いていなくて静かだったため、ポカポカ太陽を浴びながらリラックスをして向かいました。

noguchi museumの外観は赤と白のレンガで出来ていて、上から見ると三角形になるようなとても不思議な形の建物。

入り口を見つけるためにグルグル一周。

この建物は、1920年代に建てられた古い印刷工場とガソリンスタンドを改築したもので当時、イサム・ノグチのアトリエとして使われていたそうです。
noguchi museumは1985年に創設。存命作家が自作を公開する目的で設立・デザイン・会場構成したアメリカ初の美術館。
イサム・ノグチのあらゆるジャンルの作品を見ることができました。
石、鉄、木、セラミック、紙のドローイングや公共デザインのモデル、ステージ・セット、家具やあかり・光の彫刻など…
展示数もとても多かったです。

二階建ての美術館は窓が大きく光が入る創りになっているため、作品と光のコントラストが美しく、作品を引き立てていました。


私が心惹かれたのはこの作品。

透明感のある白となめらかな曲線、マットな質感が本当に美しかった。

美術館には中庭があり、そよ風を感じながらゆっくりと座って、水の音や木々の葉っぱの擦れる音を聞き、ここの空間だけ時間が止まっているような不思議な体験をしました。
ここでは、たまたまカリフォルニアから旅行で来たという日本人の女性が声をかけてくれて、イサム・ノグチのこと、ご自身の暮らしのことなど話をしました。
ニューヨークで日本人の方に会うことがほとんどなかったため、ご縁を感じ、とても嬉しかったです。
noguchi museumに行くことは当初、旅行の予定に入っていませんでしたが、私が今まで行ったことのある美術館の中で、一番好きで何度も何度も行きたいと思う美術館となりました。
日本に帰国してからも、思い出すだけで心が穏やかになります。
イサム・ノグチさんの思いを五感で感じることができる美術館です。